菅稲田堤8 上布田一之橋【49】

かつてここには二ヶ領用水に古入橋が架っていて、古入橋は板の上に土を乗せた六尺幅の橋でした。新三沢川が通ることになり、新たに「上布田一之橋」が架けられました。二ヶ領用水の水は三沢川の手前で導管に落とし込まれ、三沢川の下を潜り、また湧き上がってくるものです。立体交差し終わると元の用水路の姿に戻ります。
この設計は、多摩川右岸農業水利改良事務所長の平賀栄治(ひらがえいじ 【1892∼1982】)によるもので、高津区久地にある国の有形文化財指定の「円筒分水」にも応用されました。平賀栄治は三沢川や平瀬川に大雨が降ると二ヶ領用水に流れ込み、洪水を引き起こしていたので、多摩川に流れ込む水路に切り替える工事をしたのをはじめ、上河原堰の「浮き堰堤」などその功績は高く評価されています。

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