菅のトリビア【39】きたん坂(菅仙谷)

39.きたん坂

仙谷谷(せんごくやと)の奥から小沢峰をのぼり、小沢城址に行く道を「きたん坂」と呼んでいました。小沢城が栄えていたころ、大勢の武士や軍馬たちがこのみちを利用していたと思われます。小沢城を中心に大きな戦さが幾度も行われたので、その度にこの「きたん坂」が使われたことでしよう。享禄3年( 1530 )、北条氏康の初陣である小沢原の戦いで、小沢城から夜襲を仕掛け上杉朝興軍を打ち破った時も、この道を使用したかもしれません。それからすぐ小沢城が廃止されてからは、仙谷の農家の人が農作業に利用するだけの道になり、坂の上には仙谷集落の伏せ木がふせぎ行事で飾られました。昭和62年( 1987 )に市内第1号の自然遊歩道である「多摩自然遊歩道」が誕生し、多摩丘陵や里山の原風景(げんふうけい)が堪能できるコースの一部になりました。