菅のトリビア【31】有舌尖頭器(菅仙谷)

31 .有舌尖頭器

昭和49年(1974) 7月、近所に住む当時中学生の加藤健一氏が川崎市立フルーツバーク駐車場西側に隣接するガケから採取した石器が、縄文時代草創期(今から約1万年前)に造られた有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)で、その時代にこの地に人の存在が証明されました。この有舌尖頭器は長さ3.6cm、最大幅] 4cm、厚さO. 5cm、重量27 gで、先端部がわずかに欠損しています。石質は割れると鋭く刃のようになるチャートという石。有舌尖頭器は舌状の基部を持つ尖頭器で、木の柄の先端に基部を差し込み槍の穂先にした狩猟用の石器です。石材に木や骨などの加工具を押し付けるようにして薄い剥片を剥がす(押圧剥離)ことでノコギリ状の加工がされています。川崎市からは5地区で採取例がありますが、多摩区で採取された唯一のものです。(画像は有舌尖頭器:イメージ)