菅のトリビア【54】「的」の裏側(菅北浦)

54.「的」の裏側

子之神社で年の初めに悪魔を払う行事「オマト」が行われます。新編武蔵風土記稿には「毎年正月九日、神前にて猿楽の男舞及び賭的(かけまと)あり、楊の弓、青竹の矢を以ってこれを射る」とあります。的は葦を60師四方の大きさに網代に編み、和紙をニ重三重に貼り、墨で三重円を描いて的にし、的の裏には「鬼」という字を半紙に書いて貼り付けます。今では梅の小枝の弓で、真っ直ぐな篠竹の矢をつかえて的を射抜き、邪気を祓い、その年の五穀豊穣と地域も安寧を祈念する歩射(びしゃ)で、神官が射った後はどなたでも参加できます。多摩川下流地域には弓矢で的を射る歩射(ぶしゃ・かちゆみ ともいわれる)の行事を行なっている所が多く、川崎市内でも他に4カ所と、的を射ることのない歩射が1カ所で行われています。