菅のトリビア【20】菅の祝い唄「初瀬」(菅稲田堤)

20.菅の祝い唄「初瀬(はつうせ)」

菅には古くから「初瀬」という祝い唄が伝わっています。この唄は特に格式が高く「嫁取り」「婿取り」の婚礼のめでたい宴席で、必ず最初に唄われるものでした。稲毛三郎重成が頼朝の妹を嫁に迎えたときに謡われたのが始まりとされ、橘樹郡の菅生村辺りで唄い継がれ、菅にも伝わったものと思われます。初瀬は高砂、鶴亀などのめでたいものをはじめ、農作に関係ある品々を唄の文句に載せて、祝いの席を盛りあげます。初瀬は「はつうせ」と唄い、はつは初めて、うせは産声の意味であるという。しかし、次第に唄える人が少なくなり、今では全く聞くこともできません。そこで稲田堤を中心に結成された「菅祝い唄初瀬保存会」はこの祝い唄を後世に保存継承しようと努力し、川崎市民俗芸能発表会などで披露を続けてきましたが、コロナ禍後の現在は活動を中止しています。(画像は川崎市民俗芸能発表会)