菅のトリビア【35】風祭り (菅の各地)

35.風祭り
風の神に祈ることは縄文時代から存在していたと言われています。風は一種の妖怪であり、神の乗り物などとされました。風の神には東日本を中心に「風の三郎」という呼称があります。風祭りでは富山市八尾で行われる「風の盆」が有名ですが、全国各地の神社や地域、民家の庭先などでも行われています。節分から数えて210日にあたる9月1日前後には、たくさんの台風が各地に被害をもたらしてきました。農家にとっては収穫間もない稲作への被害は心配の種でした。菅の各集落では戦後間もなくまで、風を切って被害が少なくなるよう「風切り鎌」を用いて神に風の力を削いでを鎮め、豊作を願う風祭りを盛んに行なっていました。風切り鎌は長い棒の先に草刈り鎌をくくり付けたもので、これを屋上や庭の高い木に南向きに立て、吹く風を切り払う祈願をしました。
