菅のトリビア【14】紙本着色釈迦涅槃像(菅馬場)

14. 紙本着色釈迦涅槃像
玉林寺所蔵の仏涅槃図は釈迦入滅の状況を描いたもので、南北に配置された沙羅双樹の間、中央の宝台上に臨終を迎えた釈迦が横たわり、周りに十六羅漢、十大弟子、七菩薩、在家信徒、インド天部の諸神が集まって別れを惜しんでいます。その周辺には様々な動物や植物も描かれています。本図は金箔を使用した極彩色で、本図周りに帯状の外縁を設けて、「十方五十二類の衆」を類別にあらわしています。川崎市の寺院にも数多くの涅槃図が残されていますが、参集する登場者がグループ別に集団で描かれているものは類例がありません。本図は文化14年(1817)、菅村の佐保田氏や寒念仏講の人々が発願となり制作奉納されました。三島龍澤寺本の写しと伝わるが、龍澤寺に原本は残っていない。(右は玉林寺)
